2010年3月22日月曜日

「建築の可能性」



「建築の可能性」は、今日聞いてきた資生堂ギャラリー90周年記念対談の表題。対談者は建築家の石上純也と物理学者の山田章一。石上さんの神奈川工科大のKAIT工房や都現美のバルーンを知っていたので、どんな話をする人なのか興味があって行ってみた。「建築の可能性」という言葉はもはや使い古された感のある言葉である。ありきたりなそのテーマに、つまらない話になるのではと不安を覚えたが、対談を聞いた後には改めて建築の可能性、否「可能性」という言葉の意味を再考させられることとなった。

端的に言って非常に知的好奇心をそそられる対談だった。特に面白かったのが石上さんの建築に対するスケール感で、壁のない柱だけの建築や、狭い敷地にさらに狭い住宅を建てる案や、既存の22階建てのビルの一部を利用した22階のワンルーム住宅など、どれも常識から一歩外に出て発想されたものばかりだった。常識の中で「建築の可能性」というものを考えている私のような人間と違って、石上さんは建築というものを極限まで突き詰めて考えることにより、常識的な発想から一歩外へと踏み出すことへ成功した建築家なのではないかと思う。

石上さんの建築は、自然がその法則を背後に隠しているように、一見雑多作られているようなものでもかなり明確にデザインされている。恐らく私が面白いと思ったのもその部分で、中ザワヒデキさんの方法主義とも似ているのだが、物事の原理や法則を突き詰めて考えることによって、小さなものから大きなものまでその原理や法則を適用することに成功し、それが建築物によって体現されているから人の思考を刺激するのではないかと思う。

彼の思考は本当に「建築の可能性」を拡げていくものだった。


写真は石上さんが今取り組んでいるプロジェクトの模型。ではなくて子供よって拡げられた建築の可能性です。

2010年3月9日火曜日

制作


毎年この時期になると体がうずうずしてくる。体が作品作りたいよ−って言ってるんだろうか。

今度一軒家のアトリエを借りようと思う。四月の美学校の展示が終わった辺りから本格的に制作に入れたらなーと。少し前に比べると制作に対する意識がだいぶ上向きになってきた。今年の夏は海外にも行かないし、その分作品を作れたらなと思う。

なんだかんだで色んなことに関わっていても、結局自分は作品をつくってたくさん展覧会をやっていくしかないんだと思う。地道にね

とりあえずは四月の展示用の作品をさっさとつくらねば。

写真は「禁じ手」。二人で刷れば、一度に二色刷れます。